#0298 中国不穏な株価急落!ゲーム、半導体業界の成長に疑問符?
原因となったのは国内のオンラインゲーム否定記事と海外の中国半導体業界への否定的な記事。
中国市場は、これはただ事ではないと過剰な反応を見せました。
今回の3行まとめ!
- 相次ぐ株価急落の裏に中国政府?
- 今度はゲーム業界を集中攻撃
- 浮かび上がった半導体産業への懸念
この原因となったのは先日発表された「義務教育学生の宿題と学外訓練の負担をさらに減らすことに関する意見」に関係があるとされています。
さらに追い打ちとなるように経済参考報、これは新華社通信傘下の経済系メディアですが、ゲームを「精神アヘン」と非難する記事を公開。
「世代を破壊するような形で産業や競争を発展させることはできない」と、業界に対して極めて厳しい意見を紹介しています。
これまでオンラインゲームに対する過剰な投資は何度も問題視されてきました。
先日の意見書では学習塾などに対する投資が禁止されましたが、今回の警告的な記事はゲームへの投資を大幅に萎縮させたようです。
この日株価下落が生じたのはゲーム業界だけではありません。半導体関連も全面的に大幅な下落となりました。
これは格付け会社ムーディーズが中国半導体産業に対して懸念を示したことが影響していると思われます。
報告によると「中国が2025年までに半導体自給率を70%にするための投資を急増させた」事に対し「潜在的な過剰生産能力と投資の非効率性」と指摘しています。
「中国は世界最大の半導体消費国だが、生産量は米国、韓国、台湾を大きく下回る」点から、半導体戦略の脆弱性を指摘しています。
7月には中国最大規模の紫光集団が破産を申請し、業界に大きな衝撃を与えました。
編集所感
今回の概要!
- 政府に潰される巨大産業
- ゲームは政府の次の標的か
- 半導体産業の失敗は誰のせい?
一言で投資の集中と言ってもその性質は大きく異なります。ゲーム関連企業は莫大な利益を上げ、他業種に手を広げています。
こうした事業の拡大方法は最近ことごとく中国政府に叩き潰されている巨大IT企業と同じで、当然当局に目を付けられています。
最近中国は何かと理由をつけて巨大企業を叩きのめしていることは報道でご存知かと思います。
先日は教育業界を壊滅させる動きが報じられましたが、その規模は700億ドル、日本円で約8兆円弱の巨大産業です。
偏った資本家によって教育の本質が歪められた。今後は中央が教育を管理する。教育資本家は国家の意図に反するみたいな事を言っているようです。
表向きは教育にかかる費用を軽減することで少子化を食い止めるなんて言われていましたが、実際はどういう狙いなんでしょうね。
中国では感染症拡大で対面の家庭教師企業が次々倒産し、オンラインサービスを提供する巨大企業が寡占し始めたとされています。
生き残った企業は大規模化し、巨大IT企業、アリババやテンセントなどと手を組み、国内外から莫大な資金を調達したわけです。
これを中国政府は国家に対する挑戦と受け取ったのでしょうね。鶴の一声で壊滅させ、投資した企業にも打撃を与えることに成功しました。
今回は児童・青少年と教育問題に関連してゲーム業界を叩きのめそうと画策し、お膝元の新華社系列に記事を掲載したと考えられます。
ゲームを「精神アヘン」「電子麻薬」と呼び、子供の心身を蝕む産業だと痛烈に非難しています。
こうした批判は今に始まったことではありませんけどね。何かある度に中国では似たような指摘が出てきて話題になっていました。
韓国は16歳未満への制限は無意味だとしてシャットダウン制を廃止しようとしているのにね・・・。
今回の批判記事では3月に発表された「中国国民心理健康」という報告書の結果を多く引用していますね。
その中でうつ病が特に若年層で増えているというデータを紹介して、これがコンピューターやゲームによるものだと指摘しています。
特に例示されて名指しされたのは「クラッシュオブクラン」というゲーム。なんかTVCMで観たことあるような・・・。
それと「伝説対決」?うーん、よく知らないけど、まあとにかくこういうオンラインゲームがうつの原因で、高校生は40%がうつだとしていますね。
どうあれ、中国のゲーム関連企業と政府の戦いは注視しておきたいところですね。政府の指先一つで企業が飛ぶので、投資には注意が必要です。
一方で半導体関連ですが、これも今に始まった問題ではありません。以前から中国の半導体関連への投資非効率性は指摘されています。
中国で「製造2025」がスローガンとして提唱された時、地方政府はこぞって莫大な投資を行ったわけです。
スローガンの後押しがあるから大丈夫と、とにかく大金をこぞって注ぎ込んだわけです。まともな評価をせずにね。
その結果一時的には期待の高まりと共に株価も急上昇しましたが、何せ結果が出ない。日本や韓国、台湾から人材を引き抜きまくっても思ったような成果が出せません。
製造2025は米国の反発と、半導体産業が期待外れの発展に終わったこと、そして目標達成がどう考えても無理なことから取り下げられました。
まあ、中国のスローガンって賞味期限が基本的に短いですからね・・・。失敗したら静かに消えていくのはいつものこと。
問題の一つは、中国が生産できるのは最先端のチップ類ではなく、競合の多いものだということです。
なので生産量を増やすと供給過剰になって価格下落を起こし、最終的には淘汰されかねないということです。
中国の半導体産業発展を阻害したのは米国による半導体部品や供給の制限が行われたことで、政治的な理由もあって中国は失敗したということです。
これからも中国に対する輸出規制は続きますので、中国は技術の限界を容易に突破できないとされています。
紫光集団のように巨額の負債を抱えて破産する企業が今後も出てくるかと思いますね。
お〆め
みなさんワクチン接種はどうしてますか?わたしはまだ予約もしてないんですが、友達が絶対打っちゃダメって言ってるんですよ・・・。
あつまれ!しらゆき姫のてんこ森
第127話 しらゆきさんとお友だちのこまったチャン
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