#0264 最低賃金引上げゼロへ!韓国版経団連が提言!意味なかった所得主導成長政策!
彼らの主張によると、文在寅大統領の肝いり政策だった所得主導成長は全く意味のないものだということです。
また、格差縮小の役にも立っていないと指摘。実際格差は拡大しています。
今回の3行まとめ!
- 韓国版経団連、最低賃金引き上げなしを主張
- 最低限の生活はできる?
- あらゆる角度から引上げを否定
(参考)韓国経営者総協会 プレスリリース
これは20日に発表した「最低賃金の主要な決定基準の分析を通じた2022年適用最低賃金調整の要因診断」に記載されたものです。
それによると、最低賃金決定基準である生活費、類似労働者の賃金、労働生産性、所得分配法に明示されていない支払い能力を分析した結果としています。
最低賃金決定は生活費水準を参考にするのが合理的だと主張。ただし高所得者層が含まれている全体生活費ではなく、最低賃金政策対象の中間60%の生活費を考慮することが適切としています。
2020年の最低賃金を一ヶ月に換算すると約180万ウォン。これは最低賃金単身労働者の生活費を超え、全体の非婚単身労働者の生活費水準に近いとのことです。
また、2020年の全体単身労働者の実態生活費は前年比で4.6%減少していることから、最低賃金を引き上げる必要はないとの判断だそうです。
韓国の最低賃金水準はOECD29カ国中6位であり、G7諸国の平均よりはるかに高いことが分かっています。
最近5年間の最低賃金引き上げ率は53.9%と非常に高いことと比較し、生産性はわずか1.7%の上昇に留まっていることがわかりました。
これによって労働生産性向上による最低賃金引き上げという理由もないと説明しています。
さらに最低賃金上昇が所得分配の改善に与える影響が極めて小さいことが判明し、格差縮小のために最低賃金を上げる意味はないとしています。
中小零細企業では年間利益が3,000万ウォン未満が大半で、通常の賃金支払いも困難で、こうした側面からも引上げに疑問を呈しています。
編集所感
今回の概要!
- 別に韓国経済終わってない
- それっぽい数字の算出
- 今回の提言はマトモ?
これだけでヤンヤと騒いでいる人たちがいるかどうかは知りませんが、この報道の背景や位置づけを知っておく必要があるでしょう。
別にこの韓国の経団連的立場の人たちが最低賃金の上げ幅を決めているわけでもなく、非常に強い影響力を持つわけでもないですから・・・。
これを「韓国って来年最低賃金引き上げゼロだって!韓国経済終わった!」とか言えば面白いかもですが、それは拡大解釈にすぎません。
このチャンネルではお祭り騒ぎは控えて真面目に分析・解説していきますよ。
まずこの韓国経営者総協会は、いわゆる大企業、韓国でいえば財閥集団の寄り合いみたいなもので、彼らの利益になるよう発言や行動をします。
なので労働者の権利や財閥解体云々をひたすら叫ぶ左派を敵視し、既得権益保護とまではいきませんが、大企業に甘い右派を支持しています。
日本の経団連もその傾向がありますが、最近は経団連としては保守政権とちょっと微妙な距離なのかな・・・。その辺のところどうでしょう?
さておき、韓国では略して経総(キョンチョン)なんて呼ばれているようですが、彼らは堂々と右派を支持し、巨額の献金をしているようですね。
なのでそもそも最低賃金引き上げには反対で、可能な限り低い水準に抑えたいとして、毎年似たような提言をしています。
そんなわけで毎年似たような論法だったり、時には手を変え品を変えて、とにかく最低賃金を引き上げるべきではないという結論を出しています。
今回も理論だけ見れば何とももっともそうな話ですが、これは正しいかもしれないしそうでないかもしれないです。
左派の労働者団体みたいなところもそのうちこれとは反対の結果となる報告をまとめて出してきます。
どちらも結論ありきでマジックナンバーを作り上げるためにデータをいじってそれなりの理屈を付けたものを出してくるわけです。
ただ、労働者団体が出してくる数字は何と言いましょうか、とんでもない数字でして、やり方としては大きく出しておいてそれなりの結果を得るという感じ。
あの、労働組合の横暴な賃上げ要求なんかと同じような手法ですね。10歩くらい多めに数字を出しておいて、渋って渋って渋って6歩目くらいで妥協するみたいな。
なのでこれから彼らの要求が出てくるかもしれませんが、見れば笑っちゃうような数字とデタラメに激しい論法ですよ。だから嫌われるんだってば。
ですので経総の論理も狙った数字を出すためという意図は見えますが、まだ説得力があるというか、踏み外していないという感じはしますね。
こういう人たちは元々人を説得させるための数字を弾き出すのが得意な人たちですしね。そうやって投資を集めているんだから。
とはいえ韓国の最低賃金はこれが決定打となるほど単純ではなく、一応民主主義的に多数決で決められています。
労働者代表、これはべらぼうな賃上げを要求する恐ろしい連中。それに使用者代表。経総や中小経営者団体などの賃上げ反対派。
(参考)最低賃金委員会 委員構成
それに公益委員という3年に一度任命される専門家達。言わば政府の息のかかった人たち・・・。
それと特別委員として政権から3人。まあ半ば出来レースになりがちな構成です。それでもこの2年間はかなり抑えられてきましたけどね。
それだけ文在寅政権最初に2年の引上げが余りにも激しすぎたということ・・・。
2020年はその反動があったのと、今年はコロナもあってささやかな上昇になりましたね。
結局文在寅政権の3年で1万ウォンに引き上げという政策公約は単なるポピュリズム政策だったというわけです。
有権者には聞こえの良い数字ですしね。ただそれを強引に実行する必要はありませんでした。だけど強行しようとした。そして失敗。
今や身内からも批判を浴びていますが、それでも成果を強調し続けていますね。一人だけ・・・。
今回のレポートについては相変わらず説得力があってよくできていると思います。ただ労働者側の反発が大きくこの通りにはならないでしょう。
今回のポイントは、こういう報道の目立つところだけ信じても、現実はまったくそういうわけではないというところでしょうかね。
お〆め
(参考)厚生労働省 最低賃金
今回は季節外れですけどサンタクロースについてです。わたしとゆるりんでは対称的なようです。みなさんはいつ頃まで信じていましたか?🎅🤶
あつまれ!しらゆき姫のてんこ森
第093話 しらゆきさんとサンタクロース
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