#220 中国が検閲で転載禁止した温家宝エッセイを読んでみた。やっぱ文革に触れちゃマズいよね・・・
これが中国の現体制を批判したものだとして検閲対象となり、削除や転送禁止扱いとなりました。
文革や日中戦争の認識の違い、現体制への不満が綴られているということです。
今回の3行まとめ!
- 危険視された元首相のエッセイ
- 文化大革命など中国の不都合
- 理想と違う今の中国
この内容が、中国がタブーとしている文化大革命に触れていることや、現政権への批判とも取れる内容が含まれているとされ、検閲を受けています。
(参考)読売新聞 2021/04/20
WeChatでは規約違反により削除されたと表示されるようです。
4月17日に寄稿された最終回である第4回は、CNNによると数十万回共有されたとのことです。
(参考)CNN 2021/04/20
ほとんどの投稿や転送は検閲当局によって削除され、残っている物も転送禁止となっていてこれ以上の拡散は抑えられたようです。
基本的には母親を中心とした内容で、日中戦争当時の家族の貧しい暮らしが克明に描かれているとのことです。
日本軍の横暴を描く一方で、偽装軍や国軍による堪えがたい横暴についても触れています。
更には内戦時の国民党軍の横暴。その後更に長きに渡って続いた貧しい生活についても延々と綴られているようです。
文化大革命の時に父親は学校に監禁されて給料も停止。酷い尋問と暴行を受けたと書かれています。
問題となったとされているのは最終回第4回の末文で、これが現習近平政権を批判したものだとの指摘があります。
「私が思い描く中国は、公正と正義に満ち、人の心、人間性、人間の本質を常に尊重し、若さ、自由、闘争心が常に感じられる国であるべきです。」
「私はこのために泣き叫んで闘ってきました。これは、人生が私に教えてくれた真実であり、母が私に与えてくれた真実です」と締めくくっています。
編集所感
今回の概要!
- 読みましたけど・・・
- 中国における自称クリーン
- 嫌われ者からの批判
こういうのは実際に読まなきゃ何も始まらないので読みました。量的には新聞の一角に載ってたもの4つなのですぐに読めますね。
澳門導報の最新号なのか何なのか。とにかく第4回が掲載された紙面は合法的に公開されていて、こちらで本物を目にすることができました。
(参考)云展網 澳門導報
いつまでなのかはちょっと分からないけど。新しいのが出たら古いのは見られなくなりそう。
(参考)澳門導報 2021/03/25
温家宝って誰だっけ?という人もいるかもしれないのでちょっとだけご紹介。
習近平の前の胡錦濤が国家主席だったときの10年間、中国の首相を務めた人物です。2003年~2013年。
(参考)Wikipedia 温家宝
その前の江沢民時代の5年間も金融・農業担当の副首相を務めています。1942年生まれで天津の出身。
エッセイにも書かれていましたが、貧しい教師の両親を持つ家庭に生まれ、一般庶民として日中戦争やその後の国内の混乱を生きてきています。
そこには共産党に対する賞賛は一言もなく、ただただ貧しい生活が続いていて、母親が力強く支えたと書かれていました。
母親はとにかく厳しかったようで、父親に対して賄賂を決して受け取らないようにと諭していたとも書かれていますね。
一応温家宝自体も非常にクリーンな政治家だというのが売りでした。ニューヨークタイムズのスクープでは親族の不正蓄財が明らかになっていますけど・・・。
(参考)NYT 2012/10/26
親族ががめつくて断り切れないというのは中国政治あるあるですけどね。まあ温家宝を擁護するつもりはさらさらないですけど。
こういうのも公文書ベースで明らかになった物をまとめているのですが、鵜呑みにしていいのかどうかも迷いますね。
反腐敗を掲げてクリーンなイメージがある習近平も親族の不正蓄財が明らかになりましたね。これももう10年も前ですか。
これを報じたブルームバーグは中国から遮断されたらしいですが、これもまた不都合な真実なのかな?
温家宝エッセイに対して面白い分析があって、この中で引退という言葉が3度使われているんですね。
一つは父親の教師引退。残りの2つは自身の首相の任期が切れて政界から引退したというもの。
暗に習近平も引退すべきだとしていて、これが問題だったのではないかという見方もあるようです。
また、抗日戦争の開始を盧溝橋事件とする記述があり、これは現政権の14年戦争を否定するものだとも指摘されたようですね。
そもそも温家宝や胡錦濤は李克強を次の国家主席にしたかったらしいですが、江沢民がしゃしゃり出てきて習近平を押し上げたとされています。
温家宝自体が中共権力者としてはちょっと他とは違った感覚を持っていたこともあって、習近平とは反りが合わないと思います。いや、誰ともか・・・。
香港への強硬対応を選択した習近平に対し、温家宝や胡錦濤は反対していましたからね。
温家宝は一般庶民からは人気が高かったようですね。周恩来元首相のような感じで全国的に。四川の地震の時にもすぐに現地に行きましたしね。
なんだっけ?洪水か何かの被害の時とかコロナの時とか、習近平は自分で行かずに李克強を行かせたら李克強の人気が出て妬んだりしてたような・・・。
対外的には習近平も温家宝も大差ないとは思いますね。大枠では。ただ、人当たりは温家宝の方が良さそうですけどね。でも所詮中国は中国ってこと。
今回の事で改めて思ったのは、中国は本当に度量が狭い。比較すれば温家宝よりも習近平は狭い。そして臆病だと思う。
このような些細な価値観や路線の違いですら内包することができず認められない。更には脅威と感じて封殺する。ふふっ、愚かしい。
臆病さを堅く大きな殻で隠し、外側では強い中国を演じる。この姿を滑稽の一言で締めくくります。そしてこれが中国です。
お〆め
ただ出身や派閥がバラバラで意見が全然まとまらなくて苦労してたのをずっと見てたんだよ。
そして・・・しらゆきさんは聖子ちゃん派?
わたしの姉は松田聖子派だったらしいけど、わたしが物心ついた時はもう第一線じゃなかったんじゃないかな?たぶん・・・。
わたしはどっちかっていうとかっこいい系よりかわいい系の服が好きだから、聖子ちゃん派ってとこかな。
そういえば最近はずっとテレワークだから洋服も買わなくなっちゃった。