#157 中国の言う開かれた貿易はトランプのようにオーストラリアを殴ることなのか?
今回の3行まとめ!
- 中国がオーストラリア製品に莫大な関税賦課
- ワインや大麦などが大打撃!
- 鉄鉱石は当然除外
オーストラリア最大のワイン会社であるトレジャリーワインエステーツは株価が急落し、取引停止となってしまいました。
ワインに対しては107.1%から212.1%がかけられることになり、オーストラリアのワイン業界への打撃は計り知れません。
ワインだけでなく、石炭やその他の商品も同様に苦境に立たされるものと思われます。
しかし大麦や石炭に関しては、インドがオーストラリア産に興味を示していて、最悪の事態は回避されるかもしれません。
(参考)SCMP 2020/12/01
中国がオーストラリアの大麦に対して80%の関税をかけることとなったため、価格が下落しているのも一因だそうです。
しかしワインに関しては中国市場の代わりを見つけることは容易ではないとしています。
(参考)環球時報 2020/12/02
中国市場はオーストラリアのワイン輸出全体の39%を占めていて、約半分は9月以降に売れているそうです。
最近オーストラリアの港を出航した船も引き返す必要があるという話まででてきています。
しかし中国にとって極めて重要な鉄鉱石については規制はかけられないようです。
中国は鉄鉱石の大半をオーストラリアから輸入していて、すぐに代わりを見つけることは難しいためと見られています。
編集所感
今回の概要!
- 中国のやり方はトランプのやり方
- オーストラリア叩きは世界への見せしめ?
- 怪しすぎるアフガニスタン情報
中国の多くの品目に対して莫大な関税をかけて中国との対立を鮮明にしてきました。
それに対して中国は報復関税をかけて対抗し、米国の内向きな態度に対して「自由で開かれた貿易」の必要性を強調しました。
かつては自由貿易と言えば、自国の利益を最大化させるために欧米諸国が唱えてきたものです。
今となっては自由貿易は世界経済を健全に成長させるために必要不可欠なものとして捉えられているのが現状です。
アジア諸国、とりわけ中国の台頭は米国発展の方程式を狂わせるものだとトランプ大統領は考えたため、徹底的に中国を叩くことにしたわけです。
そのやり方の一部は非論理的で、一部では極めて感情的なものだったため、中国は激しく反発し、米国を批判したわけです。
中国を叩くという目的には賛同しますが、そのやり方にはどうも賛同できない部分が多くありますね。
わたしはいつも言っていますが、80年代以降に米国が日本経済をコテンパンに叩きのめしたやり方を想起させます。
奇妙な計算式を基にして作り上げられた反ダンピング関税措置。
当時は情報収集が難しく、各国は米国にやられ放題でしたが、今やそのあくどい手法が明るみになり、多くの国が対抗できるようになりました。
その代わりに出てきたのがセーフガード関税というものですが、米国は中国に対してこれすら使わない超法規的な報復関税措置で臨んでいます。
これに中国が怒るのも無理もないわけです。あまりにもデタラメなやり方です。
ただ、米国国内では中国脅威論を高めることに成功し、このデタラメな制裁的関税は受け入れられているようですね。
そのため中国は真っ当な貿易をすべきだと声を上げているわけですが、中国のそういった声が表面的なものにしか過ぎないのはご存知のことでしょう。
時代は変われど自由貿易というのは経済支配のための美辞麗句でもあるというわけです。
自由貿易の全てを否定するわけではありませんけどね。
そんな中国がオーストラリアに対してやっていることと言えば、米国のそれと全く同じように強引で不当で横暴極まりないやり方です。
そんなにオーストラリアが憎いか?というほど無茶苦茶で、客観的に見ると到底受け入れられるやり方ではないですね。
オーストラリアの最近の反中姿勢に対して徹底抗戦しているわけですが、やり方が余りにもえげつない。
RCEPが署名され発効されてもこんなことが起きるんでしょうかね。本当にデタラメです。
中国が世界の中心であるという中華思想が、今や経済に於いては現実化しようとしていると言えます。
中国からすれば、米国が敵対する国にやったことを中国もやったまでと言うのかもしれません。いや、また別の答えを用意しているようです。
中国とオーストラリアのこうした関係は、オーストラリアが新型コロナウイルスの起源について中国で調査すべきと発言したことが発端。
WHOでも中国の起源ではないとする主張は退けられて未だに疑いが残っているわけですけども、今度はオーストラリアは非倫理的な国だと主張しています。
オーストラリア特殊部隊がアフガニスタンで不法に39人以上を殺害したという戦争犯罪行為は事実ですが、中国は怪しい写真を投稿。
オーストラリア兵が子供にナイフを突きつけ殺害しようとしているこの写真の投稿はさすがに信じ難いものです。
この投稿をしたのは米軍が中国にコロナウイルスを持ち込んだと主張した人物ですからね。でまかせである可能性が極めて高いです。
ロシアも急に中国に同調するようにオーストラリア軍の無差別殺害を糾弾するなど、物事全体が変な方向に動いているようです。
何にせよ中国の様々な報道も態度も発言も、素直に受け入れられるものではないですね。この増長を何とか止めなければなりません。
お〆め
少なくともあの写真はメチャクチャ怪しいけどね。なんでわざわざオーストラリアの国旗が広がってるのかって思う。
米中関係が改善すれば、そこをあえて狙う必要もなくなるかもしれませんね。中国にとっては不利益もありますから。
そして・・・しらゆきさんとチョコアイス
パキシエル。
美味しいでしょ?チョコレート食べてるみたいで。
あとセブンイレブンのアーモンドチョコバー。あれ最高!