#0122 沈む韓国鉄鋼業界!中国日本からの輸入増加!
今回の3行まとめ!
- 苦境続く韓国鉄鋼
- 輸入鉄鋼増加中
- 価格据え置き圧力
ここのところの鉄鉱石価格急騰にもかかわらず、中国や日本の安価な鉄鋼に対抗するため値上げすることもできず、厳しい状況が続いているようです。
自動車産業などは第2四半期に底を打って、第3四半期から回復基調だとしていましたが、新型コロナウイルス再拡大で暗雲が垂れ込めた状況です。
造船業界ではここのところ受注が好調で、鉄鋼業界にとっては恵みの雨となるはずです。
しかし最近では価格の安い中国製や日本製の鉄鋼が多く使われるなど、韓国の鉄鋼メーカーにとっては苦しい状況が続いています。
韓国では鉄鋼の輸入割合が31%と、ドイツの16%や日本の10%と比較しても非常に高い水準となっています。
(参考)ソウル日報 2020/08/31
最近では中国メーカーや日本メーカーが価格を引き上げているため、韓国メーカーにとって有利な状況が生まれると見ています。
しかし自動車メーカーや造船メーカーがこれに応じるかどうかが問題で、収益性悪化の懸念が続いています。
編集所感
今回の概要!
- 鉄鋼価格維持圧力の理由
- 日本や中国の動き
- 韓国鉄鋼第2四半期の業績
要因はそれだけではありません。予想以上の造船受注が好材料となるはずでしたが、造船メーカーが値上げに応じる気配がありません。
造船業界も苦しいですからね。鉄鉱石価格が上がったからといって、鉄鋼メーカーの安易な価格引き上げを容認できないわけです。
前回お話ししたように、赤字続きで意外と収益性が高くないんですよね、造船メーカーは。
なので原材料の値上げはとても厳しいわけです。
自動車メーカーも同様のようです。こうした時に国内企業同士の協力というのはないんですね。ちょっと不思議です。
メーカーもそれぞれ厳しいんでしょうね。同じものが目の前に安くあるのだから・・・。
こうして価格引き上げを妨げているのが日本の鉄鋼で、これは以前「韓国の船は日本の鉄でできている」と紹介しました。
今や安価な日本の鋼材が韓国造船メーカーに人気です。
日本はオリンピック需要を見込んで第1四半期に大量生産しましたが、国内の鉄鋼消費は激減。
今や中国鉄鋼よりもさらに安価で韓国に流れているようです。
とはいっても韓国も需要自体が減っているので、輸出量が大幅に伸びているというわけではありません。
あと、直売以外の鉄鋼価格は上昇し始めているので、韓国メーカーも少しは交渉できるのではないかと思います。
今や中国は国内インフラ整備のために大量に鉄鉱石を買い漁っています。これが鉄鉱石価格上昇の一因。
さらに感染症拡大でオーストラリア、ブラジル、ペルーの供給量も減少していることが重なって、価格が急騰しています。
中国はそれほど鉄鋼需要があるというわけで、恐らく韓国も大量に輸出しているはずです。
熱延鋼板にいたっては、前年同月比で1,000%を超えたと報じられています。
価格が上昇して利益がでるようになったと見られていますね。
日本も中国への輸出は前年同期比で60%超と増えていて、増え続けている在庫量解消の一助となっています。
日本も新型コロナウイルスの第二波に悩まされていますが、経済活動は順調に回復していて、第3四半期の業績は回復基調だと見られています。
ここが心理的に沈滞気味の韓国とはちょっと違う点ですね。
日本は高炉メーカーが高炉を再稼働するなど、本格的な生産拡大を見据えています。
(参考)鉄鋼新聞 2020/08/28
対中国ですが、最近の報道では在庫量が増えていて、価格は横ばいということなので、韓国鉄鋼業の復活にどれほどの助けになるかは分かりません。
こういう話をするのはちょっと気が引けますが、日本も韓国も中国も、この夏の災害で建設需要は増えているんですよね。
建設関連の鉄鋼需要は増えるわけで、不謹慎な点もありますが、メーカーにとっては助けとなっていることでしょう。
あ、でもこうした建材でも中国製が増えてきているようですね。韓国製鉄業は大丈夫でしょうか・・・。
韓国の輸入鉄鋼についてニュースでも触れましたが、これは大半が中国製だそうで、これを圧延メーカーが再び圧延してどこかしらに売り飛ばしているそうです。
こうした動きを米国やEUが数年前から中国製品の迂回輸出基地としているんじゃないかと疑いの目を光らせている状況が続いています。
特にここ最近は反中国の動きが強まっていますので、詳しくは分かりませんが、何かしらの貿易救済措置を取っているようです。
メーカー別に見ると、ポスコは巨額の赤字を記録して大変なようですが、現代製鉄は電気炉が盛り返して何とか黒字を記録したそうです。
(参考)朝鮮日報 2020/08/21
東国製鉄は家電向けのカラー鋼板が好調で、こちらは大幅黒字を記録していますね。
日本はどうやら5月6月で底を打ったようで、今後の回復が期待されます。
7月の生産反発は今一つでしたけど、今後の回復に期待ですね。
自動車産業の回復と、造船は今治造船とJMUの業務提携で大型受注も受けられるようになったので、期待しています。
お〆め
そして・・・
でも、日本アイスクリーム協会は身体が冷えるから温めようとしてカロリー消費するとか言ってるけどね。
でもほら。ダイエットはストレス溜めたらダメって言うから、食べたい時は食べた方がいいんじゃない?週に一回くらい。