#0105 中国の横暴に屈するひ弱な南シナ海周辺国!米国も支援の手
今回の三行まとめ!
1. マレーシアは主権と管轄権侵害と反論
2. ベトナムは国際法遵守を求める
3. インドネシアは緊張状態保つ
7月初めに米国が南シナ海の大部分に対する中国の主張は違法だと宣言し、その一部を主張する東南アジア諸国への支援を強化しているようです。
(参考)SCMP 2020/07/29
この地域は航行上の重要な地域であるだけでなく、石油とガスが多く埋蔵されていると考えられています。
マレーシアは南シナ海が平和と貿易の海であり続けるべきだという見解を示し、中国の主張を拒否するとしています。
1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)を含む普遍的な国際法の原則に基づいて平和的に解決されるべきだと主張しています。
ベトナムも同様に国連海洋法条約に言及し、中国に対して紛争を拡大する行為を控えるよう求めています。
また、中国がベトナムの正当な権利と利益を完全に尊重することや、南シナ海の平和と安全に貢献するよう求めています。
インドネシアは漁民を中国船から守るためとして積極的に軍艦を派遣しています。
漁場を巡って対立が続く中国とインドネシアですが、インドネシア側は「我々の主権に関して交渉はない」と強気の発言を見せています。
オーストラリアも他国同様、中国の主張のいくつかには「法的根拠がない」とし、中国の領海・海洋主張を拒否しています。
米国は中国に対抗するため、南シナ海でいわゆる「航行の自由作戦」を定期的に実施し、周辺国との協力体制を強めています。
編集所感
今回の概要
1. 止められなかった中国の横暴
2. 小国の対中外交に対する妥協
3. 強硬姿勢を取れるオーストラリア
近隣諸国の主権と領海が平気で侵害されているのが現状です。
これは中国の軍事的、外向的な暴力によって達成されたと言ってよいでしょう。
結局のところやった者勝ちで誰にも止めることができませんでした。
今更オバマ元大統領を批判する気にもなりません。
とにかく国際社会からどんなに批判を浴びようとも気にせずやった者勝ちというのが露わになりました。
法の力の限界を感じますね。
この人工島の周辺海域を軸として幅を利かせている中国ですが、当然周辺国は黙ってはいません。
黙ってはいないけど具体的な行動がなかなか取れないというのが現状です。
小国が中国のような巨大な国を相手にするのは荷が重すぎます。
そんな中でベトナムやインドネシアは気を吐いている方ですね。
他の周辺国は経済的な依存もあって、実際に中国との衝突が激化すると失う物の方が多くなるのを知っています。
一方では強い姿勢を見せるものの、裏側では中国と協議し、妥協しながら権利の一部を認めてもらおうという動きも見られます。
米国から支援の声が呼びかけられていますが、簡単に応じられないのは、万一米中が衝突した時に巻き込まれたくないという考えからのようですね。
例えば米国の艦船が駐留していたら攻撃を受けるかもしれない。そんな考えなどだと思います。
中国に対して徹底的な態度を取るにはよほどの覚悟が必要だということです。
米国はそれが出来ますが、他の国はヨーロッパも含めてできていないわけですから。
それを東南アジア諸国に求めるのは無理があるという事です。
ベトナムも米国との間で中国の違法な脅迫に対して漁業者への支援を行う協約に署名したようです。
ベトナムの言う東海では中国漁船が違法操業を続けていて、4月にはベトナム漁船が沈没させられる事件も起きています。
漁業に関する問題は、単に漁場だけの問題ではないんですね。
各国は水産資源の維持のために漁獲制限を設けていますが、中国漁船がこれを無視して乱獲するものだから、制限が全く意味をなさないわけです。
日本でも温暖化とは別の理由。中国の遠洋漁船の乱獲が原因で季節の魚が不漁になったりということがあります。
今やアジア周辺だけでなく、中国漁船は世界中の海を荒らし回っているわけで、南シナ海はその縮図と言えるでしょう。
ベトナムもこれ以外に関しては中国との関係が悪いわけではなく、先日も外相会談を行って、多方面での協力体制や問題解決に努めているようです。
フィリピンなどを見ても対中外交は表裏一体というわけです。マレーシアもインドネシアも然り。
オーストラリアは位置的にも国の規模的にも全く違いますし、ファイブアイズの一員でもあり、多方面で米国との関係があることから対応は違いますね。
あ、そういえばオーストラリア大陸を発見したのは15世紀頃?の中国人だったとか言われているらしいですね。眉唾ですけど・・・。
オーストラリアはある意味これまでとことん中国に毒されてきた国の一つで、最近ようやく反中ののろしが上がったところです。
世界的に反中国とか脱中国が広がっているようにも見えますが、ちょっと別の側面から見るとそうでもなかったりというのが現実です。
EUも通信機器において安全が懸念される国のものは使わないようにとしましたけど、国名は明示せず、かなり曖昧になっています。
世界中がそんな感じなのです。
お〆め
それを思い切って切ったり、相手の感情を害してでも冷遇できるかということです。