#0052 韓国LG化学、インドで有毒ガス漏れ事故!損害賠償に刑事告訴!工場閉鎖も検討
この工場はポリスチレン、いわゆるカップラーメンや飲料の容器、家電製品や包装保護となる発泡スチロール、断熱材を製造しているところということです。
(参考)ソウル新聞 2020/05/08
(参考)ソウル新聞 2020/05/08
事故が起きたのは原料であるスチレンモノマーが入った3,000トンのタンクで、漏れ出たガスの量は把握されていません。
工場は新型コロナウイルス対策で稼働を中断した状態でした。
現地メディアはこれまでに子供を含め少なくとも12人が死亡し、1,000人以上が病院に搬送されたとしています。
半径3kmの住民達は目が焼け付くような痛みやかゆみ、呼吸困難、嘔吐などの症状を訴えていて、
この地域の住民3,000人あまりに避難命令が下されました。
インドの国立災害対応機関は今回の事態を「化学災害」として規定しています。
避難地域は半径5kmに拡大され、インドのモディ首相は化学兵器対応専門家チームを現地に派遣し、現場統制と救助作業指示を出しています。
入院患者は現在100人前後となり、一時危篤状態となった被害者も現在は安定状態にあると報じられています。
州政府は「工場側が封鎖後の再稼働準備を行いながら、必要な手続きを適切に守らなかった。
経営陣が悲劇の責任を負わなければならない」と強く批判しました。
また、工場永久閉鎖案も検討されているということです。
(参考)MBC 2020/05/08
(参考)MBC 2020/05/08
これは調査の結果、環境規制の違反が摘発された場合は工場免許が取り消されればということのようです。
一時、ガスの2次流出と報道されましたが、LG化学は「2次流出ではなく、タンク内の温度上昇の懸念で万一の事態に備えて警察に住民の避難を要求した」と否定しています。
インドのあるNPOは「刑法第304条2項(殺人に至らない過失致死)で有罪が証明された場合、
被告人は10年の懲役刑と多額の罰金、またはその両方に直面する危険性がある」と話しています。
(参考)The Times Of India 2020/05/08
(参考)The Times Of India 2020/05/08
インドでは1984年にも殺虫剤工場のガス漏れで4,000人以上が死亡し、当時は外資系工場に対する安全基準が緩かったとして以降は厳しく対応することとなりました。
この事件は国民のトラウマになっているようで、インド政府は今回厳しく対応する構えを見せています。
今回のガス漏れ事件によって、インド国内で韓国企業への反発が懸念されていて、関係者は「我々は非常に慎重に目立たないようにしている」と語ったようです。
編集所感
今回の原因はまだ明らかではありませんが、劇物を扱っている以上、細心の注意が必要なわけで、おそらく何かしらの注意を怠ったものと推測されます。
不意な外的要因ということではないでしょう。そうであったとしても、それに対する十分な予防策は必要です。
広範囲に広がって多くの死傷者を出し、新型コロナウイルスで医療機関が圧迫される中でのこの事故は極めて大きな問題でしょう。
日本でもこんな時に地震や豪雨などの災害が起きてしまったら避難所が大変なことになるかもしれないと問題提起されていますが、
人災で避難せざるを得ない状況が作られましたね。
インドは新規感染者が毎日3,000人を超えるなど勢いが一向に収まらず、感染者は6万人に迫り、2,000人ほどの死者が出ています。
もっともこのインド南東部に位置するアーンドラ・プラデーシュ州は9日現在で感染確認1,887人、
回復者数842人なので、医療体制はそれほどひっ迫していないと推測されます。
ちょとインドの状況は詳しくはわからないですね。
LG化学は既に状況は落ち着いているとしているので、これ以上の被害は出ないということなのでしょう。
その、仮に工場が再開出来ないとなった場合は地域雇用にも大きな影響を与えます。
インドの産業自体にも大きな影響を与えることになると思います。
よほど1984年の事件が強く印象に残っているからか、インド政府としてはそんなことに構ってられないということでしょうね。
韓国との関係よりも厳しく対応することを重要視しているように感じられます。
当然州または国からLG化学に対して損害賠償請求も起きることでしょう。
事故時の賠償について契約でどのようになっているかにもよると思われますが。
おっとインドメディアによると5億ルピー(約7億円)の罰金だそうです。
ちょっとこれが多いかどうかは分かりませんね。暫定罰金ということで増えるかもしれないです。
(参考)The Times Of India 2020/05/09
(参考)The Times Of India 2020/05/09
モディ首相が遺族に1千万ルピー(約1,600万円)のお見舞い金を出しているので、少なくとも足しになりましたね。
災害支援金も出すとのことですから、まずは足しになると思いますけど。
それにしてもどちらも対応がとても早いですね。素晴らしいです。
もしかしてこういうことがしょっちゅう起きてるから手順が決まっているのかも。
記事にもあったとおり、これで韓国に対する印象が悪化すれば、韓国政府のいわゆる南方政策にも影響が出てきますね。
正直なところ印象悪化による影響は限定的だと思います。やはり感染症ニュースに押されて隅っこに追いやられていますし。
また、地方での出来事ですしね。
韓国国内では国の恥だという声も多く聞かれます。一方でインド国内でも工場閉鎖や刑事罰など厳しい意見が多いです。
寝ていたら毒が流れてきて死んでしまったと考えると極めて異常な事態ですからね。怒って当然でしょう。
わたしが心配なのはここで働くインド人従業員の生活です。
緊急事態宣言でしばらく働けなかったのに、これでは再開どころか閉鎖かもしれないということですから。
安全確認が取れるまでは操業できないでしょうし、その間の給与や、最悪の場合は別の企業への就職斡旋など、どうなってしまうんでしょうね。
責任ある対応を取ってもらいたいところです。
万一工場が閉鎖となった場合、相当広い土地が明け渡されることになるようですが、これもどうなるんでしょうね。
その前に解体にまた莫大な費用がかかりますね。
LGグループ全体は不振のようですが、LG化学は電気自動車用バッテリー事業が好調でパナソニックを抜いたそうですから、それで補填すればいいのかな。
おっと、次々新たな報道が出てくるんですが、必要な許可を得ずにスチレンを製造していた疑いがあるようですね。
また、必要な環境クリアランス。これは汚染除去か何かですかね?この許可を得ずに操業しているとして告発されたそうです。
(参考)The Times Of India 2020/05/09
(参考)The Times Of India 2020/05/09
何だか色々と怪しい事実が次々と出てきたそうな気配です。ひょっとしたら汚職も絡んでいるのかもしれないですね。
どうあれ今後に注目です。
それと、文在寅大統領は早く謝罪声明を出した方が良いですね。執筆時点では何も触れられていません。
報道に出てないだけで電話くらいはしてるかな?
お〆め
ちなみにエチレンガスは野菜や果物から出るものです。
一大汚職事件になって騒ぎが大きくなればLG化学や韓国に対するイメージも悪化するかもしれませんね。
ただおかげでインドメディアのサイトを見つけたので、これからはインドのニュースもお伝えするかもです。
そして・・・
パン自体本当は危険なんです。買ったらダメなんです。