#0060 韓国日本より断然早い給付金支給!でも2回もらった人続出・・・
全く同じような制度にも関わらず、支給の速度には大きな差ができたとブルームバークは報じています。
(参考) Bloomberg 2020/05/21
どちらの国も一部自治体では政府の対応よりも早く住民に支給するところも出てきたようです。
韓国では5月19日の時点で80%が支給されたのに対し、
日本では申請を受けて銀行口座への振り込みを開始した自治体は全体の19%にすぎないそうです。
総務省によると、申請書類の郵送を開始した自治体も72%にとどまっているとしています。
韓国メディアはこの報道を引用して、80対19で日本に圧勝した。IT強国韓国が勝利を収めたなどと報じています。
ブルームバーグではこうした要因を「韓国の中央集権的な行政能力と国家識別システム」としています。
韓国では住民登録番号に基づいて政府が個人記録に容易にアクセスすることができるため、
日本のように住所などの基本情報を確認する必要がない。
世界でも最速のブロードバンド、無線ネットワークを持ち、
サムスン電子などの技術大国を擁する韓国ではスマートフォンも重要な役割を果たしている。
などとしています。
一方で日本にはマイナンバーカードがありますが、普及率は16%に過ぎず、
一部の人。わたしのような人ですが、パスワードを忘れて解除するために行政機関を訪れなければならない人が多くいます。
また、手続きのためにアクセスが集中して何度も処理が中断される事象が発生し、結局郵送手続きにするという人も少なくありません。
しかしながら韓国では給付金100万ウォンをすでに受け取った人に、再び100万ウォンが振り込まれるという事態が発生しています。
(参考)SBS 2020/05/22
(参考)SBS 2020/05/22
これは自治体が政府に先立って支給したものとは別に政府からも支給されてしまったということのようです。
自治体と政府間でデータは共有されていて重複は発生しないはずですが、自治体が共有される前に支払ったからだということです。
これは住民の通報によって判明し、自治体と政府はそれまで全く気付かなかったということです。
別の事例では、間違って住民番号を入力したため別の人に振り込まれたというものです。
これは本来携帯電話番号認証で検出されるべきものですが、システムがまともに構築されていなかったため発生したということです。
編集所感
新しいシステムができたとしても、今までのやり方の方がやりやすいし自分に合っているからという大変保守的な方も多いようです。
そもそも仕事量がそれほど多くないから効率化する必要もなかったわけで、
そのしわ寄せがこうした突発的な繁忙期に出てきてしまったということでしょう。
マイナンバーカードの前身である住民基本台帳にしても、一体どこでどう活用されたのかよくわかりませんでした。
お役所内でもそうだったのでしょう。
そしてマイナンバーカード。
わたしが発行しに行ったときは、あまりにも手続き数が少ないからか、説明書を見ながら手続きをしていましたよ。
残念ながらこうしたレベルだというのが現実です。
4月頃ですかね。東京都港区の保健所の様子を映した動画が公開されました。
その時だれもが1980年代のドラマかと思ったことでしょう。ホワイトボードにみんなが書き込んで情報を共有していました。
しかも字が汚い。
唖然としましたが、日本のお役所系は今はまだこういう状態にあるのだと再認識しました。
もう一つ別の問題もあります。それは申請の難しさです。
お役所の申請というのは慣れていないと難解なものです。慣れていても難解だと思います。
独特の言い回しや分かりにくい項目。もうお役所式に慣れている公務員は普通なんでしょうけど、一般人には単に不可解です。
申請しにくくするためじゃないかなんて思うものもありますね。とにかく不親切です。
政府機関や地方自治体のホームページを見れば一目瞭然ですね。
旧時代的なわかりにくいページを堂々と出しているところも多いです。
難解にして自分たちだけが分かるようにすることで優越感を覚えているのではと思います。
分からないから説明を求めに来る。そうした人たちに教えてあげることで、優劣をつけて楽しんでいるのではと思っています。
民間ではないから競争相手もいないので、住民のために無駄な効率化や簡素化はしないというわけです。
これに対して韓国はどうなのかというと、そもそもの出発点が違います。
韓国で国民管理システムが構築されたのは確か60年代からではないかと記憶しています。
朝鮮戦争の後に、北のスパイをあぶり出すためには徹底した国民管理システムが必要だったわけです。
そのため国民番号制度のようなものは非常に早い段階で作られ、システムも構築されていきました。
当時はこうした背景があって、国民を厳しく管理する必要があったわけです。
表現を変えれば韓国は昔からこの方面では進んでいて、政府の集中管理を嫌う日本は遅れているという事です。
防疫対策でも携帯電話のGPS、通信会社の接続情報から得る位置情報、クレジットカード利用状況へのアクセス。
これらを韓国では無許可でできるようです。
人権の捉え方が全く違うわけです。戦争中の国家の考え方ですから。
人権の考え方が進んでいるとされている欧米諸国からすれば、とんでもない監視システムというわけです。
じゃあ日本は人権に対して進んでいるのかというと、検討されてこなかったから政府が手出しできないだけで、進んでいるわけではありません。
色々書きましたけれども、とにかく速度優先として国民全員への給付が決まったわけで、他の支援金制度などに関しても、とにかく速度が叫ばれてきました。
その時、申請に不備があれば後から何とかすればいいみたいな意見が各所からも出ましたが、
お役所は結局そんないいかげんなことはできないというのが今回の事からも分かると思います。
今回の事態を受けて改善されるかというと、わたしはそうは思いませんね。上からよほどの圧力がない限り。
これからものんびり少しずつ改善されていくと思います。