#0033 韓国メガソーラーは100%中国製

しかしそこで用いられている太陽光電池は100%中国製で、高価格な韓国製電池の入り込む余地はありませんでした。
脱原発政策で世界有数だった原発産業は衰退の一途を辿っていますが、太陽光関連産業も同じく崩れ去ろうとしています。
脱原発を目指す文在寅政権は、天然ガスと再生可能エネルギー、とかく太陽光にシフトを試みていますが、韓国電力が大規模な赤字を経験するなどうまく進んでいるとは言えません。
脱原発政策で原発の新規建設が全て白紙化されたため、原発関連産業の生態系が大幅に狂ってしまい、韓国の原発事業は徐々に崩壊への道を辿っています。
そこにコロナウイルスの混乱が重なり、現在液化天然ガスへの依存度が増している韓国のエネルギー事情は経済面でも安全保障面でも良い状況とは言えません。
(参考)朝鮮Biz 2020/04/09
北朝鮮を経由したパイプライン天然ガス事業(PNG)も安全保障上の問題があります。何より計画が進んでいません。
解決策の一つとされているのが最近全羅南道で商業運転を開始したメガソーラー。すなわち太陽光です。
韓国メディアによると、広さは158万㎡、サッカー場220個分ということで、発電容量は98MWに達するということです。
この巨大な太陽光発電の太陽電池が100%中国製だということです。
(参考)朝鮮日報 2020/04/07
この事業では韓国企業と中国企業は金額ベースで半額ずつ納品したとのことですが、韓国企業の太陽電池も全て中国製だったというわけです。
韓国製の太陽電池は中国製と比較して高価で、競争力に欠けるということを意味しています。
文在寅大統領は2030年までに再生可能エネルギーの割合を20%にまで引き上げるという3020運動を宣言しています。
そのため92兆ウォン(約8.3兆円)を投資し、主に太陽光事業を推進していくとしていました。
しかし実際は中国企業に押され、太陽光パネルの中国からの輸入額もこの2年間で52%増加するなど韓国の太陽光関連産業の衰退が顕著になっています。
原発事業に続き、太陽光事業も縮小するなど、韓国のエネルギー安全保障の環境は悪化が続いています。
編集所感

文在寅大統領のエネルギー政策の転換によって、脱原発が加速し、海外でも競争力を持っていた韓国原発事業はみるみる衰退しています。
これについて責めるつもりは一つもありません。政策の変更によって衰退する事業は出てくるものです。そこに従事している人や企業にとってはたまりませんが、時代の流れでそういうことは避けられません。
問題は新たに勃興してくるはずの新エネルギー。つまりは再生可能エネルギー関連の生態系が、積極投資にもかかわらず育たないどころか、中国企業にエネルギー産業が占領されつつあります。
脱原発によって失われた雇用の受け皿にこうした新エネルギー産業がなるはずでしたが、むしろ新エネルギー産業も縮小し、雇用状況がさらに悪化しているのです。
中国政府は数年前から太陽光関連事業に湯水のように補助金を注ぎ込んでいきました。それが成功したとも言えるでしょう。今や世界で圧倒的シェアを誇っています。
当初文在寅大統領のエネルギー政策では、脱原発の推進として石炭火力の強化に努めていました。これに対しては微細粉塵が増えるとして批判を浴びました。
ただ韓国の老朽石炭火力発電所を閉鎖し、新しいクリーンな石炭火力に置き換えることで一定の効果を上げていきます。
しかし世の中ではクリーンな石炭火力発電所に対しても、二酸化炭素排出量が問題となって、結局世界からは削減を求められています。
石炭火力の代替として天然ガス。今のところ液化天然ガス(LNG)の輸入ですが、これによってエネルギーコストが増加し、韓国電力は1兆ウォンを超える大赤字となってしまいます。
電気料金の割引は廃止され、逆に値上げせざるを得ない状況です。
南北融和政策によって達成されるはずだったパイプライン天然ガス、PNGは、南北関係の悪化によって道は閉ざされたままです。
そもそも北朝鮮を通るという事を考えれば安全保障上の問題が大きかったわけですが。それとCO2排出量も低くはなりますが、大幅に削減できるというわけでもないのです。
韓国が進む残された道は原発を除いた再生可能エネルギーしかなくなったわけですが、国内産業の育成に失敗し、頓挫しかけているという状況です。
太陽光電池が奮わなくても、電力安定供給のためにセットで必要となるエネルギー貯蔵装置(ESS)では、韓国企業がリードしてきました。
しかしながらリチウムイオン電池を採用して建設されたESSで原因不明の火災が相次ぎ、こちらも競争力が失われていきます。
結局調査団は原因はサムスンSDIが開発したバッテリー異常だと発表しましたが、バッテリーメーカーは因果関係がないと反発しているようです。
(参考)アジア経済 2020/02/06
韓国は選挙の一つの争点として、このエネルギー政策が挙げられています。野党は脱原発政策を批判し、右派未来統合党に関しては、原発の再稼働を公約として掲げて票を集めようとしています。
わたしは文在寅大統領の思いきった政策転換を行う推進力は評価しています。その姿勢について。ただ、結果が伴わなければこの有様です。失策ではありますが、政治家の姿勢としては評価します。
でもリーダーであるからには導く方向性が重要で思い切りだけではダメで、今の状態は目立ったことだけ言って支持を集め、結果が出せずに失望されて終わる大統領ということになっています。
それでもコロナ事態ではそれなりの結果を出して、支持率は50%を超えたそうですが・・・。
お〆め











あの事故では改めて危険性が浮き彫りになったということですよ。その、被害規模が甚大だという。
なので安全前提という考え方が問題で、今後どうするかということになっているわけです。






専門的な技術を持っている人は別業種になると大変じゃないですか?
それについてはもう仕方ないというしかないでしょうね。なかなか原発の技術は他に転用できないでしょうから。
あとは関連会社もどんどん別の取引先を見つけなければならないです。特殊部品を専門的に作っていたりして依存度が高いと、これも容易ではないですね。








ただ今後も化石燃料に頼りっぱなしと言うわけにはいかないので、火力についても他の再生エネルギーに転換していかないといけないんですよ。




ただ今となっては巨額をかけてそういうことに挑戦する時流ではないんですよね。






そして・・・



















