#231 中国がハワイの近くに基地を建設??中国は笑いながら英国メディアに反論!
ハワイから南西に3,000kmの場所ですが、中国は英国メディアが近くと報じたとしています。
お互い非難合戦のようになっていますが、実際のところは色々な事情があるようです。
今回の3行まとめ!
- 中国がハワイ近くに基地建設
- 機密プロジェクトで軍用利用?
- 報道は荒唐無稽な誇大報道
(参考)環球時報 2021/05/09
この報道は5月8日にデイリーメールによって報じられましたが、元はと言うと5月5日にロイターが報じたものが最初です。
それによると、ハワイから南西に約3,000kmに位置するキリバスの離島にある滑走路と橋を中国が改良する計画を立てているとのこと。
キリバスの野党議員がこれは一帯一路構想の一環ではないかと疑っているということです。
というのも、キリバス政府が修復の実行可能性調査以外の費用や詳細情報を公開していないためだとしています。
ある匿名の太平洋地域の国の政府顧問は「島は固定式の航空母艦になる」としています。
デイリーメールはこの空港はオーストラリアやニュージーランドとハワイの中間地点にあり、偵察機の打ち上げに利用可能だとしています。
また、これが近代化され、改良され、使用可能な大きさになれば、戦闘機も配備可能だとしています。
これに対して中国の専門家は単なる憶測にすぎず、根拠がないとしています。
この事業はキリバス国内輸送のために、中国がキリバス政府の依頼を受けて滑走路の改良を計画しているだけだということです。
そしてこうした報道は中国脅威論を煽るための誇張であり、倫理を無視した中国への中傷だと反論しています。
編集所感
今回の概要!
- キリバスの何が重要なのか
- 台湾から中国へ切り替えたキリバス
- 軍用懸念は行き過ぎなのか
ウイグルのように事実と思われる事象が多く確認され、浮き彫りになってくるものも多くあります。
それとは別に、中国脅威論が先行し、膨らみすぎた想像がおかしなストーリーを作り出す場合も少なくありません。
いずれにせよ中国政府は否定しますが、否定するから怪しいと単純に考えると、行き過ぎた反中の人たちにいいように操られてしまいます。
この点はわたしも特に注意しなければならないと意識しています。なので今回も慎重に進めていきます。
まずキリバスですが、赤道直下にある複数の島から構成されている国家です。インドネシアの遙か東、NZの北の方に位置します。
(参考)外務省 キリバス共和国
島と島の距離はかなり開いていて、西の端から東の端まで3,000kmほど。今回空港が話題となっているその中間に位置するフェニックス諸島です。
元々はイギリス領で1979年に独立。当時は中国と国交がありましたが2003年には台湾を国家として認め中国と断交。
しかし2019年に誕生した新政権は一転して台湾と断交。中国との復交に踏み切りました。
この決断によって与党が分裂するなど、中国を巡って政治的にも色々あるようですね。
問題はキリバス国内でこの空港改良案件の情報公開が十分でないということに起因しているようです。
問題提起をした野党議員はキリバス最後の駐台湾大使で、ロイターに対しては一帯一路に関連がないか情報提供を求めたという事です。
これを英国メディアが過剰に反応し、反中寄りの情報を集めて記事を構成したというのは間違いないでしょう。
それらの情報が信憑性があると考えるかどうかは皆さんの判断に委ねるしかありません。
ちなみに台湾政府は外交承認を切り替える際、中国が旅客機やフェリーの販売を約束したことが事実上の賄賂だと非難しています。
また、2020年の大統領選挙前に中国が生活プロジェクトと称して420万ドル以上をキリバスに提供したと政府は発表しています。
こうしたことが様々な憶測を呼んでしまう原因となっているのでしょう。
今回の空港が軍事目的で使用されるかどうかとは別に、中国は太平洋の真ん中にも影響力を持つことができたというのが大きなポイントです。
米国とキリバスは独立後に友好条約を締結していますが、そこに中国がくさびを堂々と打ち込んできたということになります。
キリバスは軍隊を持たず、捜索や救助、漁業保護活動に関しては米海軍や米沿岸警備隊と協力体制を取っています。
米軍はキリバス内のその他の滑走路を利用しています。その中にも軍用機の中継地点として利用されているものもあります。
わたしは今回のデイリーメールの報道はちょっと過度だなと感じています。
記事の中でオーストラリア戦略政策研究所の論文に触れていますが、ここはかなり反中に偏った機関なので、全てを鵜呑みにするのはどうかと思います。
もちろん参考情報としては頭に入れておきますけど、彼らに言わせれば、中国が関わる施設はほとんど全部軍用になってしまいますので・・・。
先ほども触れましたが、中国は世界各地、例えばヨーロッパやカリブ海、南米、アフリカなどの港湾施設や海洋インフラに多額の投資を行っています。
そのうちいずれかが軍事的用途に使われる可能性はあり、懸念が生まれるのも当然です。
ただ、今回の空港はあまりにも小さすぎ、現時点では国内の輸送用ということです。これをどう拡張するかは中国だけの決断ではできません。
まあ、親中政権なのでお金を積めばすぐに何とかなるかもしれませんけどね。
怪しい計画が今あるのか、これから動くのかはさておいて、中国がこの地域にも興味を示して動いていることは覚えておきたいところです。
お〆め
あ、そういえばあれ、日本のワイドショーでもやってたよ。
中国は怪しいという前提に傾きすぎたところから物事を構成するからね。怪しい事は確かなんだけど。
あつまれ!しらゆき姫のてんこ森
第60話 しらゆきさんとアパホテル
ほら、あのハンドバッグのような携帯電話で「しもしもー」ってやってたお笑い芸人みたいな感じ。あの人最近見ないね。
それで、「アパ直」とかいう言葉作って、アパホテルの公式サイトから予約すると一番安くなるようにしてるの。いろんな戦略が成功してるのかな。
でもアパホテルはわたしは好印象なんだ。出張とかで地方のアパホテルに何回か泊ったことあるけど、最上階に大浴場があったり、なんか印象がいいんだ。