#0111 韓国失業給付、製造業は通貨危機レベル!基金枯渇は大丈夫か?
今回の3行まとめ!
- 製造業は減少傾向続く
- 60代以上は政策が当たり堅調な伸び
- 失業手当繰り返し需給の問題が顕在化
サービス業では増加が見られる一方で、製造業では減少幅が拡大するなど、韓国経済を支える製造業の回復はまだ先のようです。
年齢別では20代30代の若者世代の減少幅が大きい一方で、40代以上は回復傾向、特に50代60代は大幅な回復を見せています。
しかし新規の失業給付金申請者は11万4千人で、前年同月比で1万3千人増。合計で73万1千人となっています。
1件当たりの受給額は143万ウォンで、一ヶ月当たりの支給額合計は1兆1,885億ウォンと、6月に更新した過去最高記録を更新しています。
雇用保険基金の年内枯渇が不安視されていますが、これについては税金投入が功を奏して免れることができそうです。
しかし赤字傾向は顕著で、今年は3兆ウォンを超え、基金残高は4兆ウォンと半減すると見込まれています。
メディアによると、失業者数に比べて受給者数が少なく、OECDの平均58.6%を大きく下回ることから、支給要件の緩和や期間の拡大が必要という見方があります。
(参考)亜洲経済 2020/08/07
また、就業と離職を繰り返して3年間で3回以上の失業給付を受ける人が増加するという事態も起きていて、制度の見直しの必要性も指摘されています。
特に60代以上が全体の4割を占めていて、政府の雇用支援策が悪用されていると見られています。
編集所感
今回の概要!
- 韓国の偏った雇用状況
- 有効な対策のない雇用改善
- 失業給付制度の問題点
失業者に対する手厚い支援を掲げてきた文在寅政権ですが、就任以降基金残高は減少を見せています。
これは景気対策を含めた経済政策全体を考慮するとうまくいっていないということになります。
感染症流行前の昨年が2兆ウォンの赤字ですから、根本的な問題を抱えているということになります。
政府の目論見では雇用保険加入対象者を増やすことで収入が増加し、幅広い国民に対して給付できると見込んだものです。
この経済状況の中で、60代以上を中心とした行政サービスだけが異常な伸びを示しています。
日本でいうとシルバーセンターを通じた高齢者雇用の拡大なのですが、ここに集中しすぎて、他業種や他の年代への支援が疎かなのではという見方があります。
これ自体は一つの方策であって問題ではないのですが、このくらい効果を上げられる政策が他にも出てこないというのが今一つですね。
まあ行政の仕事を作り出すのは比較的簡単でしょうからね。仕事を作って税金から給与を絞り出すだけですから。
そういう意味では雇用政策が成功しているとは言い難いですね。数字を遠目に見ればうまく行っていますが。
感染症の影響は仕方ないとしても、文在寅政権は雇用保険基金を破綻させてしまったと言っても過言ではありません。
今回の大量の税金投入がなければ雇用保険基金は年末に枯渇寸前になってしまうわけで、雇用保険が税金で支えられる状況を作ってしまいました。
でもここで一つ言い訳ができるんでしょうね。
文在寅政権は国民全員。労働人口全員の雇用保険加入を目指しているので、それなら税金を使っても構わないという論理。
雇用保険に入っていない人からすれば不公平感が極めて大きいですが、ほぼ全員になればそれもないんじゃないか。なんてね。
2ヶ月前かな?雇用保険基金が枯渇するんじゃないかという報道を紹介しましたが、その時と今回で、状況はほとんど変わっていないですね。
要するに有効な対策は何も打たれてないということです。
感染症も収まって、経済活動も活発となっていくはずですが、後遺症なのか数値的には特に変化がないです。
世界の状況がそれほど変わってないというのもあるでしょうね。
そんな中で雇用労働部が注目しているのは、失業手当を3年で3回以上受給している人の増加です。
韓国では180日働けば120日間失業手当を受けることができるので、就職と離職を繰り返して手当を受け取る人が増加しているようです。
これが特に60代以上で増加していることが顕著になっていて、政府の支援策で就職した人が、約半年で辞めて失業手当を受けるというのを繰り返しているという実像が浮かんでいるようです。
韓国の場合は日本と違って自己都合退職の場合は支給を受けられないので、何らかの方法、特例などを利用して受給していると思われます。
韓国政府は繰り返し受給の穴を埋める制度の導入を検討するとしていますね。
ただ、韓国政府としてはOECD平均をかなり大きく下回っている失業者の受給率を改善しなければなりませんし、こうした状況下ですからすぐに対策が取れるわけでもないようです。
繰り返し受給に対して直接的な制限を設けるなどの対策が検討されているようです。
それと、支給要件を緩和して受給率を向上させなければいけません。
しかしこれも急げば支出を増やすことになりますから、タイミングを見て行う必要があるでしょう。
お〆め
こう言うのも難ですけど、朴槿恵政権の時は黒字が続いてたんですよ。
実行することが第一なので、あまり厳しい予測をせずに政策を実行してしまったということでしょうね。
間違ってましたと謝る人は少ないです。みんないいわけは得意です。
結果としては急速に変えすぎたのが問題ですね。支給額と支給期間を一気に拡大したので、どちらか一つにして様子を見ながらで良かったと思います。
変な試算を盲信するから。
支給期間については単純化されて日本よりも長くなりましたね。
ただ、先ほど話したように自己都合では支給はないですけど。
そして・・・
それで、夏場は電気代凄いですか?
しらゆきさんもきっと同じですよ。