#0103 中国との友好関係終了!フィリピンが模索する新たな選択
今回の三行まとめ!
1. フィリピンと中国の友好関係終了!
2. 中国の南シナ海の動きと新型コロナウイルスに関する不信感が原因
3. フィリピンは米国との軍事協定破棄を取りやめた
(参考)SCMP 2020/07/25
自称社会主義者で親中に近い立場を貫いてきたフィリピンのドゥテルテ大統領。
中国が主張する南シナ海大半の領有権は2016年に国際法廷で無効とされ、フィリピンにとって有利な判決となりました。
しかしフィリピン政府の選択は経済の活性化を重視して、中国からの投資を呼び込むことを優先させていました。
ただ、建設プロジェクトの資金提供のためにドゥテルテ大統領が何度も中国を訪れたにも関わらず、まったくと言っていいほど前進が見られないなど不満も積み重なってきたようです。
ドゥテルテ大統領は、中国が自分の期待に応えようとしていないとして、失望を感じていると思われます。
その結果、判決から4年経った今になって中国に対して判決遵守を強く求めているようです。
この背景にはフィリピン国内で高まり続ける中国への反感もあるようです。
反感の高まりの原因の一つは中国海軍の艦船がフィリピン軍に対してレーダーを照射したとされる事件。
そしてフィリピンの中国大使館がYouTubeに投稿した「一つの海」と題される両国関係と感染症の戦いを讃えるミュージックビデオ。
これに対して国内で怒りと反感が集まったようです。
現在この動画は世界中から22万の悪評価を集めています。好評価はたった4,000余り・・・。
さらに新型コロナウイルスに対して、多くの国民が中国政府が情報を隠蔽していると考えているようです。
今やフィリピン国民にとって中国は最も信頼できない国であり、南シナ海で侵攻を続ける国家と位置づけられているようです。
ドゥテルテ大統領は先月、米国との訪問米軍地位協定を破棄するという2月の決定を覆し、軍事面では米国への歩み寄りを再び見せています。
ドゥテルテ政権で強まった中国への宥和政策は、ドゥテルテ大統領の任期内に終わりを迎えることになるようです。
編集所感
今回の概要
1. 批判集中!中国のプロパガンダビデオ
2. フィリピン人の反中国感情
3. フィリピン政府の微妙な立ち位置
中国のプロパガンダビデオが自由世界のYouTubeでこうなることは目に見えていましたけど。
中国国内なら何億もの好評価とたくさんの賞賛のコメントがあるんでしょうけど。
タガログ語と中国語の字幕しかないのですが、中国から寄贈された病院設備に高官が感謝する映像と、ドゥテルテ大統領が中国からのものなら問題ないと話しているシーンなどだそうです。
何だかビデオに出演した多数のフィリピン人の皆さんが本当にお気の毒です。国内でいじめられたりしてないよね?
批判の的となったフィリピン人歌手は国のために歌ったと話しているようです。
一つの海とは、フィリピンと中国が領有権を争っている南シナ海、フィリピンからすれば西フィリピン海のことを指しているわけです。
中国としてはこの一つの海は二国の共有財産であり、この海域を守って米国などの外敵を追い出そうという意図なのでしょうかね。
フィリピン人にとっては、わたしたちって誰?外敵の中にフィリピンも入っているんじゃない?と感じるところではないでしょうか。
ワンチャイナ。一帯一路。すなわちワンベルトワンロード。そしてこの一つの海、ワンシー。この一という数字って中国でしょ?
大目に見ても中国が主体ということだとフィリピン国民の誰しもが感じているということですね。
最近フィリピンメディアは排他的経済水域への中国船の侵入を侵略行為だと批判し、ドゥテルテ大統領も中国への批判を声高に叫ぶようになりました。
一方で大統領報道官は対立を鮮明化させずに相変わらず友好的であると主張していますね。フィリピン政府としては立場をあまり明確にしたくない部分もあるのでしょう。
フィリピンは先日日本の海上自衛隊と合同訓練を行っていて、対中国への警戒態勢と連携を強めています。
日本が以前フィリピンに寄贈した航空機C-90との連携訓練だそうで、フィリピンの中国への姿勢が明確化していますね。
海上自衛隊はその後米国とオーストラリアとの海上訓練も行っていて、この海域への対中国連携体制が次々と強化されていっています。
フィリピンは以前から中国を武力で打ち負かすことはできないとしていましたが、ここに来て武力を用いるというのも選択肢となってきたようです。
少なくとも領海の防衛と権利主張には武力が必要となります。
ただ、米国との同盟関係だけに依存せずという条件があるかと思われます。
自衛隊との合同訓練から察するに、フィリピンは多国間での連携を望んでいるのではないでしょうか。そういう意味では今は徐々に環境が整ってきているのだと思います。
ドゥテルテ大統領の立ち位置は非常に微妙なもので、中国寄りでもあるし、ある部分では米国寄りでもあったわけです。
これまでは中国には最大の配慮をしてきた親中派と言えますけど、状況が変われば立場を変えられるということを今は示しているようです。
国内での中国批判が大きなうねりとなっているようですから、中国とはこれまで通りというわけにはいかないようです。
どうあれ、中国は自らの行動によって、これまで散々擁護を受けてきたフィリピンからも距離を置かれてしまったわけです。
今や脱中国が世界的なトレンドとなりつつありますね。
お〆め
それにここ数年にわたって米軍がそれほど役に立っていなかったということもあって。
日本同様地位協定に苦しめられてきたようですけど、交渉を重ねて権利を拡大させてきたんです。
それでフィリピンは今回問題の一つである訪問米軍地位協定を結んだわけですが、結果的にはあまり効果がなかったようで。
そして・・・
なので学校とかではちょっとした有名人でしたよ。
なので手を抜いてわざと取らせたりしてました。
音楽は作るのも仕上げるのも時間がかかるから、忙しくなるともう片手間ではできないね。エネルギーが相当ないと。