#0100 韓国、全部外国任せで初の軍事専用衛星打ち上げ成功!戦作権返還に大きな一歩?
これは韓国が第3次FX事業と呼ばれる戦闘機配備事業で次世代ステルス戦闘機としてF-35Aを選択したため、その契約の中で韓国軍に提供されることが決まっていたものです。
この軍事衛星はアナシス2と呼ばれ、エアバス子会社によって作られたユーロスターE3000をベースにしたものだそうです。
(参考)Wikipedia アナシス2号
エアバス子会社のエアバス・ディフェンスアンドスペースが製造し、ロッキードマーティン社との契約で韓国軍が所有権を持つことができたそうです。
ユーロスターE3000は汎用衛星として商用や軍事通信用として幅広く採用されているとのことです。
大手の通信衛星運営会社が多く採用していて、各国の衛星放送などに使用されているようです。
韓国軍はこれまでムグンファ5号を使用していましたが、これは軍民共用衛星で、2012年に北朝鮮の電波妨害攻撃を受けるなど、軍事用としては十分な機能が提供されていませんでした。
2014年には太陽の黒点の活動によって太陽光パネルが故障。
後続機として2017年に今回と同じSpaceXのファルコン9を通じてムグンファ5Aを打ち上げ。これも民観通信衛星であるため、電波妨害攻撃を受けるとされていました。
今回のアナシス2の打ち上げによって、韓国初の軍事専用通信衛星が運用開始となったわけです。
もちろん電波妨害攻撃にも耐性があり、これまでよりも情報処理速度の向上、通信可能距離の拡大など軍用に耐えうる設計だそうです。
軍関係者は「最初の軍専用衛星の確保は戦時作戦統制権返還のための重要な戦力の確保と関連している」
「韓国軍の単独作戦遂行能力向上が期待される」と話しているそうです。
これをきっかけに監視偵察、早期警報衛星など宇宙国防力を段階的に確保していきたいとしています。
編集所感
数勘定が合っていれば現在運用されているものとしては7基目ということになります。
いずれも打ち上げは海外のロケットに頼ったわけで、韓国としては将来的には自国のロケットで打ち上げたいと開発を進めています。
人工衛星についてはここ10年足らずで韓国航空宇宙研究院が主管して開発できるようになったようです。
今回のアナシス2については軍事用にするということで、ロッキードマーティンがエアバス子会社に製造を委託するというかたちで製造されたようです。
なので製作には直接携わっていないものと思われますね。
ユーロスターE3000は汎用衛星で、千里眼1号もこれをベースに作られたようです。
千里眼の2Aと2Bや、アリランの現行及び後続機も航空宇宙研究院の独自設計ということです。
人工衛星に関しては韓国も自国で作る力はあるようですね。各種部品は海外製が多いようですが・・・。
このユーロスターE3000は軍事用にも使えるとなっていますが、軍事用として使っているのは韓国が初めてではないでしょうか?
ほとんどが放送などの民間通信用で、52基あるとされている全てを調べたわけではないのですが、軍事用はなさそうですね。
通信という点においては妨害電波攻撃対策の他に何か違いがあるのかな?
恐らくあると思うのですが、そのあたりは軍用設計に強いロッキードマーティン社が受け持ったということのようです。
当初は昨年に打ち上げ予定だったようですが、SpaceX側の特定不能な技術的な問題で延期されたということだそうです。
ちょうど時を同じくして米韓の国防長官による電話会談で戦時作戦統制権の返還について議論が行われたようで、文在寅政権の任期中返還のために調整が行われているようです。
軍関係者はこれで弾みがついたみたいに言っているようですけど、会談の内容を見ると一応関係はあるようですね。
条件として核やミサイルに対する初期必須対応能力が挙げられていて、今回の衛星がこれを補完するということでしょうか。
ただ戦作権の返還についてはこれまで寸前のところまで来ながらも、韓国側が恐いからもう少し後になどと言って遅らせてきたと認識しています。
文在寅大統領はいよいよ本気ということですから、このままいけば任期内にというところなのですが、思わぬ障壁があるようですね。
米韓連合で様々な項目の検証評価を行う必要があるとなっていて、これが連合軍事訓練の延期で行えない状況ということです。
3段階中の第1段階は終了していて、今年は第2段階の評価をする予定が、できずに全体のスケジュールが遅れているという事です。
こうした手続きについては詳しく分かりませんけど、何度か寸前まで言ったのだから、今回ははいどうぞという形でパッと返したりできないのでしょうかねぇ。
色々調べていると、2012年の延坪島砲撃事件の時、当時の米国側の作戦部長に電話をかけまくって指示を仰いだことから早すぎるという議論が米韓双方から巻き起こったとか。
自衛くらい自分で判断してやってよというのが米国側の見解だったようですけど、保守側に米国との連携が薄れると危機感が生じたようですね。
また、以前も紹介しましたけど、米韓連合司令部は国連軍司令部の下位に位置することから、韓国が戦作権を取り戻しても、国連軍の統制下に入るので何も変わらないという意見もありますね。
衛星の話に戻しますと、理屈っぽく言えば戦作権返還に繋がるわけですが、これで直接的に加速するというのはないと思いますね。
韓国軍側の気持ちの問題というだけでしょう。
アリランの後続機も完成次第打ち上げるそうなので、次は自国のロケットで打ち上げられるといいですね。
あ、ロケットは開発が遅れてるから無理か。え?衛星の開発も遅れてるって?
そういえば月面探査計画はどうなったんだろう・・・。
お〆め
えっと、アメリカのSpaceXにお願いして打ち上げてもらいました。
おしまい。
あ、成功しました。おしまい。
今度からそれニュースの冒頭に入れよう。しらゆきさんのニュース要約。
韓国もそういうことをしたいんじゃないですかね。そうでなければ莫大な開発費と時間をかけてロケットを作る意味がないですから。
そして・・・
それで何とか辿り着いて、そこからまた迷いながら歩いて帰りました。帰りは大丈夫ですよ。