#0094 中国の誤算!インドの反中国姿勢がより強固に!
中国はインドの対応は過剰だとして自制を求めています。インドの脱中国は不可能であるとの見方からです。
こうした中国の予想を覆すかのように、インド社会は脱中国に本気を見せているようです。
こうした中国の誤算の影には、インドのモディ首相が2014年に就任する以前から、中国の投資家誘致に積極的だったことや、
首相就任後も中国との貿易を拡大させ、中国企業の工場誘致を積極的に行ってきたことが挙げられます。
また、クアッドと呼ばれるアメリカ、日本、オーストラリア、インドによる非公式な4カ国の軍事協力関係にも二の足を踏み続けてきたことも理由の一つです。
中国側はインドによる脱中国が絶対に不可能であり、中国製アプリの使用禁止も過剰な反応と一蹴しています。
インドもそれを理解しつつも、モディ首相は「パンデミックがチャンスになる」として、インドの自立を呼びかけています。THE NEW INDIAN EXPRESS 2020/07/09
世界がサプライチェーンの再編を望んでいる中で、インドが中国に取って変わる位置にいると考えている人も多いようです。
さらにインドは6月末に日本の海上自衛隊とインド洋で合同演習を行い、陸上に続いて海上でも中国に対して挑戦的な態度を見せています。SCMP 2020/07/05
インド政府は最近のアメリカ政府の動きに呼応し、基地の利用やアメリカ製兵器の販売、機密情報共有に関する協定に次々と署名しています。
インドの掲げる「インド太平洋海洋イニシアチブ」は中国の一帯一路に競合するものであり、アメリカの地域戦略と価値観を共にするものとされています。
中国にとってインド洋が経済面でも軍事面でも要衝となることから、インド海軍の動きは目が離せないものであり、中国にとっては悩みの種となり得る存在です。
編集所感
いくら政府や政治家が声を上げたとしても、現実的に無理がありすぎるからです。
中国製スマートフォンアプリの大々的な利用禁止なども、特段強制力があるわけでもないようで、愛国心に訴えかけるだけのものかと思われました。
経済界からの反発もあり、インド経済を毀損するだけに終わると考えられています。
それでもインド国内では愛国者を中心に気運が高まっているようですね。少なくとも短期間で萎むようなことはないようです。
それもこれも政府が非常に積極的な脱中国の動きを見せていて、それに呼応する人たちが現れているからです。
国内だけでなく、国外の脱中国の動きも追い風となっているようです。
脱中国の最終到着地点は東南アジア諸国が有力ですが、これから経済が拡大していくという意味ではインドも候補として挙がっています。
インフラの整備が進み、法的にも海外企業を受け入れる体制が整っているからです。地理的にも良い位置にあります。
インド政府がこれを好機と捉えるというのももっともな話です。
各国がその動きを支援して、米国トランプ大統領が構想を立ち上げた、中国抜きのサプライチェーンが現実化してきたように思います。
最初は実現不可能で選挙向けの与太話にしか過ぎないと思っていましたが、かなり風向きが変わってきましたね。
米中の葛藤が増す中、印中の葛藤も同じように増しています。
これが米印の関係をより強固にし、中国の脅威になろうとしています。
インドは陸海空で中国に挑戦しようと準備を進めています。
フランスやロシアから戦闘機を購入して、国境付近での対決に備えています。
中国軍事メディアはこれを一笑に付していましたが、中国の自称最強戦闘機も実際どれほどのものやら・・・。
ロシアと米国双方から武器を輸入するインドを巡って、今度は米露の対立も生まれています。SCMP 2020/07/11
現在インドはロシアと米国両方の兵器を購入していて、両国の綱引き状態が続いています。
ただ、近年ではは武器単体の強さではなく、兵器間の連携、いわゆる生態系が重要視されているため、こうしたちゃんぽん購入ではインド軍の戦力は高まらないという指摘があります。
ここがある種インド軍の弱さに繋がると思います。
一方で中国は国産の統合システムに統一されているわけです。これもどの程度現実的な実力があるかは誰にも分かりませんけど・・・。
冒頭でも話したとおり、多くの人が脱中国などというものは非現実的なおとぎ話や夢物語だと考えています。
それほど中国への依存度は非常に高いです。言うまでもなく。
日本とて同じでしょう。中国と断絶した世界を想像するのは難しい。
しかし、世界が中国に対する疑問を膨らませる中で、脱中国という世界が少しずつ想像できるようになってきたのではないかと思います。
聖人を装った中国の投資を受けてきた国も、中国の実態、本当の目的が少しずつ見えてきたことでしょう。
中国の世界戦略のほころびが徐々に明らかになってきています。
新型コロナウイルスが発端となったわけですね。
一部では中国が意図的、戦略的にバラ撒いたという陰謀論がありますが、わたしはこの結果からもそれを否定しますね。
ある時点で中国は米国に取って変わる存在になるかと思われましたが、今はむしろ見る影もありません。
中国はこれからどのように踏ん張るつもりなんでしょうね。
国際機関のトップに人材をたくさん送り込んで、また聖人コスプレで頑張るんでしょうか。
世界の工場の座はこれから南アジア、東南アジアに移っていくでしょうけど・・・。
気になるのは人権にひときわ敏感で大声で叫ぶはずのEU諸国が経済優先からか、香港問題についてはなりを潜めてしまっていることです。
むしろ恥を知れと言いたいです。EU諸国の人々に、とりわけお偉いさん方に。
中国もこのような状況を察してか、インドへの態度を軟化させようという動きが出てきているようです。
このままだと不利になるというのに気付いているのかもしれません。
お〆め
それに中国が沈めばそれを利用しようと手を差し伸べる存在も出てくるでしょう。
そして・・・
ああ、そういえば魚の缶詰はこないだ切れてたから古いのから食べた。