#0080 韓国LG化学インド事故で工場撤退要請と被害者増加!
5月26日に73歳の女性が合併症で亡くなり、6月1日には45歳の男性が治療中に亡くなりました。
2人は化学工場の近隣住民でガス漏出の被害を受けていて、その余波で呼吸器系の障害、吐き気、腹部膨張感を起こしていたことが判りました。
ただ直接の関係があるかどうかの最終調査結果はまだ出ていないとのことです。
インドの環境裁判所が設定した事故調査委員会は、ガス貯蔵タンクの両級か、温度センサー装置の不備など設備管理と事故発生後の措置に問題があったと暫定結論を下しています。
LG化学は現地に8人の支援団を送り、被害住民や政府関係者と面会。事態収拾の対策作りを行ったそうです。
周辺の村の住民への食事無料提供、医療キャンプと苦情コールセンターの開設などを行ったとのことです。
現地裁判所は支援が一定水準に達したとして帰国を許可しましたが、州警察に身柄を拘束されて出国できない状況が3週間以上続いています。
これをうけて在インド韓国経済人連合会はインド商務省と産業協会に対し、出国制限が解かれるよう支援を要求しています。
警察と州政府は出国制限に関して具体的な理由を提示していません。
韓国大使館も現地に職員を派遣し、州政府と接触するなど自体の解決に努めているようです。
しかし現在のところ州政府は頑なな態度を続けていて、難しい状況が続いていると伝えられています。
(参考)アジア経済 2020/06/21
LG化学は従業員は継続雇用を望んでいるとして移転・撤退には否定的です。
しかし被害者代表は「LGと直接話をしていない。」「工場移転に反対する声はほとんどなく、労働者もお金よりも安全な場所で働きたい気持ちが大きい」
さらに「6月7日に州政府が行った会議では遺族・住民・政党がLG工場の撤退要請に全会一致の意見を出した」と話しています。
(参考)京郷新聞 2020/06/13
編集所感
新型コロナウイルスの影響で現地メディアの取材もそれほど行われていないためとされています。
同様に韓国メディアの現地取材は全くなかったということです。
東亜日報が追加の被害者女性の年齢を65歳としていますが、インドでは73歳と報じられています。打ち間違えがそのままにされているのでしょうか・・・。
(参考)東亜日報 2020/06/03
インドは新型コロナウイルスの感染拡大が続いていて、事故当時は新規感染者が3000人前後でしたが、今や15000人を超えています。
感染者数は米国、ブラジル、ロシアに続いて第4位です。
このような状況もあってか、その後の報道もそれほど行われていないのが現実です。ただ裁判は着々と進められています。
インドでは1984年に米国企業が起こした大規模なガス漏れ事故では苦渋をなめてきました。
当時は環境規制が甘かったため進出してこられ、被害後も裁判では不当な判決を受け続け、今も争いが続いているそうです。
当時の国際的な戦い方を知らない貧しいインドと今のインドは全く違います。それゆえ裁判で厳しく責任を追及していくことでしょう。
地元ではLG化学への不信が高まっているようです。色々な支援を行ったというのは韓国側の主張で、インドの被害者代表は不満を露わにしています。
州政府とも対立しているようで、警察にも足止めされるし、結局上手くいっていないようですね。
支援したと嘘をついているわけではないでしょうが、少なくとも大半には伝わっていないですし、和解の雰囲気でもないようです。
韓国という国のイメージ悪化を恐れているようですが、さらにイメージが悪化している中国のおかげでそれはなさそうです。
中印の衝突で、現地で首位を走るXiaomiのスマートフォンの販売が減少し、サムスン電子が反射利益を得るのではないかと予測されています。
なのでこれはLG化学という会社と地域住民との確執にとどまり、全国的な韓国嫌悪には繋がらないと思いますね。
何にせよ報道が小さくて少なくて継続性がないし、感染症でそれどころではないというのが人々の興味を失わせていますね。
被害者の方々もさぞかし無念なことでしょう。
州政府や警察はこれを殺人事件、少なくとも犯罪だとしているようで、出国禁止にはそうした意味合いが含まれていると思います。
韓国メディアはその事には触れていないようですけど。
LG化学は麗水にある工場の無水フタル酸(PA)の生産ラインを停止すると発表しています。
プラスチックの柔軟性を出すために使われる添加剤の原料だそうです。
これは今回の事故や安全点検とは関係なく、安価な中国製がシェアを伸ばしているため事業撤退するものだとしています。
日本での年間生産は昨年実績で15万トン。LGは5万トンだそうなので、国内需要のかなりの量の生産が止まると推測されます。
今やLG化学は石油化学製品よりもこれからバッテリー事業に注力していきたいようですね。
電気自動車の売れ行きが好調なことと、中国向けのテスラのバッテリーに採用されて事業規模を拡大中。
ただLG化学全体としてはこの第一四半期も営業利益が下落していて、安全対策に費用を投じる今四半期もよい業績は出ないかもしれませんね。
インド工場周辺地域は撤退や移転を要求していますが、政府の環境クリアランス(EC)を取得せずに建設と操業をしていた。
製造、保管、輸入に関する規則にも従っていないとされていることから、事実上インドから追い出されかねない状況です。
LGの言い分としては地方政府からの環境クリアランスを取得しているので中央政府からの許可は必要ないとのことです。
ただ今や地方政府とも対立している状況ですから、見通しはあまりよくなさそうです。
ただLG化学というブランドは業界では認知されているようです。
なので、インドをあきらめたとしてもどこかしらに代替となる工場を建設する事は可能かと思います。
ただ費用が非常にかさんでしまいますけどね・・・。
お〆め
完全にローカルニュースになっていますから。
編集所感でも触れましたが、反中が広まっているので、競合する韓国企業は反射利益を得ていますね。
別に戦略的だったというわけではないと思います。
米国の元安保補佐官のボルトンが出した暴露本に文在寅大統領は統合失調症患者だとか言ってたとか。
基本、このチャンネルの話題はどうでもいいことだから。あと、ビラ問題はしらゆきさんの発言で自粛中。
そして・・・
そういえばこのチャンネルのホームページにあるコミュニティーコーナーに食べ物の質問来てましたね。