#0056 韓国は中国側へ?米国と中国のワクチン競争で韓国は中国に歩み寄り
米中が新型コロナウイルスを巡って新たな覇権争いを繰り広げ、両国の溝は深まるばかりです。
そんな中で5月13日に習近平国家主席と文在寅大統領の間で電話会談が行われ、習近平国家主席は
「感染症との共同闘争の過程で、中国と韓国はずっと相互支援、相互幇助、風雨同舟で困難をともに切り抜けてきた」とし、
文在寅大統領は「中国の困難は韓国の困難だ」と話して両国がこれからも協力して感染症と闘っていくと話したようです。
中韓企業迅速通路、すなわちファーストトラックを開通して、産業、供給、物流チェーンの運営を円滑にすると明らかにしています。
これに対して文在寅大統領は「対象と地域が拡大されることを願って、全世界にも模範になることを期待している」と伝えたそうです。
習近平国家主席は続いて「良い隣人はお金でも買えない。過去3年間両国関係が大きく発展し、今後も疎通と協力を強化することを期待している」
「中国と韓国で新型コロナウイルスの治療薬とワクチン開発で協力し、WHO世界保健機関の役割を支持することを望む」と話しました。
文在寅大統領は「韓国も中国との緊密なコミュニケーションを維持しながら、両国関係を絶えず発展させるように願う」と強調しました。
電話会談の中で習近平国家主席は「今年中に韓国を訪問したいという堅い意志は変わらない」とし、
文在寅大統領は「韓中関係において、習氏の訪韓は何よりも重要だ」と答えたそうです。
今年前半に予定されていた習近平国家主席の訪韓は延期はされるものの年内にも実現する見込みです。
編集所感
どうあれ米中間で緊張状態になっているのは決して悪いことだけではないと思います。
その、日本の立場としてはです。米中が極めて良い関係にあれば、日本の存在感を示しにくくなりますからね。
トランプ政権の中国叩きはやりすぎなように見えますが、米国では中国を叩かずして何をすると言わんばかりに、次期大統領選挙では大きな争点の一つとなっています。
民主党の大統領候補者であるジョー・バイデンは当初中国とのパイプラインを強調していましたが、
反中に世論が傾くと慌てて自分もこれだけ中国に強く対応できるとアピールに必死です。
ネガティブキャンペーンでトランプサイドに親中だとボコボコにされていたのでね、このままじゃまずいと思ったんでしょうね。
米中のそうした責任論のなすりつけ合いからWHOへの中国の関与問題、そこから貿易摩擦に発展し、今度は治療薬やワクチンを巡ってサイバー攻撃と・・・。
本当にこの2国はどうしようもないですね。まあ中国にとっては千載一遇のチャンスですからここで引き下がるわけにはいかないですね。
米韓関係が微妙な中で。というのもまだ米韓の防衛分担金交渉は妥結していないこともありまして。
これに関しては韓国は何とか踏みとどまろうとよく耐えていますね。最終的にどこまで我慢できるか見ものですけど。
最近も米国は、というかトランプ大統領は韓国の妥協案を一存で一蹴したそうですから。
そんないざこざもあって、文在寅大統領としては色々と揺さぶりをかけたいところなのでしょう。
新型コロナウイルス関連で中韓が協力して米国に対抗するようなかたちになるのであれば、米韓関係はますます難しいものになると思われます。
しかし一方で韓国としては、米国を差し置いて中国との関係を重視するともアピールできるわけですから悪いことでもないわけです。
一昔前の言葉で表すならば、朴槿恵政権時のコウモリ外交ですね。右に左にフラフラと。まさにそれだと思います。
今中国に表立って刃向かうとオーストラリアのようになってしまうわけです。
オーストラリアが新型コロナウイルスの発生源を調べるために独立調査すべきだと言うと、中国はワインや牛肉の輸入制限をすると脅し、
今や罵り合いに発展して中国官営メディアは「オーストラリアは中国の靴にへばりついたガムのようだ。石を使ってこすりおとそう」とまで言いだして・・・。
一方でニュージーランドは閣僚が台湾を国扱いして中国が激怒すると、首相が慌てて飛び出してきて必死にワンチャイナを連呼して火消しをするという。
もうこうした出来事はいかに中国が気難しい国かというのを表しているようですね。
日本は今のところ当たり障りのない立ち位置でひっそりとやっていますけれども。
米国と中国は治療薬開発とワクチンに関しては、どうしても主導権を握りたいわけで、世界的な枠組みにも積極的な参加はないようです。
それなのに中国は習近平が「WHOの役割を支持する」などというので、そりゃあ米国もお金を出したくなくなりますよね。
そういった面では韓国も自称防疫先進国として、新型コロナウイルス関連では存在感を示したいという野心を持っています。
それは米国にも迎合せず、おそらく本音としては中国とも線を引いて、何とか自国開発して尊敬を集めたいというのがあるように思います。
以前も話しましたが、製薬やバイオ関連を新たな柱としたいと考えていますから。
そういう意味では欧米はライバルですし、今回は輸出産業を早く復活させなければ経済は瀕死状態ですから、中国に媚びてでも何とかしたいというところのようですね。
米国も何だかんだで過度に自国利益最優先な高慢ちきな相手なので、様々な事情を考えれば、今回の流れは自然だと思います。
実際どれほど治療薬やワクチンで協力できるかわからないですし、韓国の情報が中国に役立つかどうかもわかりませんから・・・。
中国もそんな風に思いつつ、仲間だけは増やしておこうということだと思います。ここのところ欧州からも怪訝に思われているから。
お〆め
確か文在寅大統領はちょっと前にトランプ大統領と電話で話してて、その時は防衛分担金の話抜きで適当に言葉を交わしていましたし。
中国も韓国にたくさん物を売りつけたいんですよ。世の中それほど単純化できないってことです。
そして・・・
そう言えば担当の美容師さんが話してたんですけど、マイナンバーの通知カードを捨てたそうです。
けど、家の中でなくした場合は誰かに使われることもないからそのまま発行手続きできるんですって。