#0050 韓国防疫当局レムデシビルに低評価!第2のタミフルではない
レムデシビルが重症化した患者への投与には効果があると期待しながらも、新型インフルエンザ流行時の救世主となったタミフルのような役割を期待することは難しいという分析です。
コン・ジュンク中央防疫対策本部副本部長は5月5日の定例会見で「レムデシビルは重症患者に使用が限定されていて、入院期間を減らしたり致死率を低くすることができるという点に対しては期待している」と話しました。
しかしながら「新型インフルエンザ流行当時のタミフルのように、初期に全ての患者に投薬して伝播力を低くするなどの防疫対策を進めるほどの意味を持つことがなかったと把握している」
「現在も臨床試験が進行中であるため有効性については専門家の判断を求めなければならない」と話しました。
韓国では2件の第3相臨床試験と米国国立衛生研究所との協力で行っている研究所臨床1件の臨床試験が行われていて、その結果を基に専門家と協議して特例輸入手続きを進めるとしているようです。
特例輸入が承認されれば国内で許可や届けのない医薬品も製造・輸入が可能になるということだそうです。
一方で米国では先月1,063人に対しての大規模な臨床試験が行われ、偽薬投与された患者の回復は15日かかったのに対し、レムデシビルを投与された患者は11日だったと発表しました。
米国ホワイトハウスコロナウイルスタスクフォースの一員であるアンソニー・ファウチ博士は、本試験結果はまだ適切な調査が必要だと警告した上で、標準治療薬になると楽観的な見方を示しています。
ギリアドサイエンス社は今月末までに初回供給分である150万回分のレムデシビルを提供するとしています。
これは約14万人分に当たるということです。
年末までに100万人分を生産するとしていますが、今後価格がどのようになるかは明らかになっていません。
米国の臨床経済評価研究所は、レムデシビルの価格は一人当たり4,500ドル(約48万円)と評価しています。
患者一人当たり10日を基本とした場合です。
過去にギリアド社はC型肝炎治療薬を発売したときに1錠1,000ドルを設定して批判を浴びましたが、今回はどのような価格設定になるのか注目が集まっています。
ジェフリーズのアナリストはギリアドがレムデシビルで今年10億ドル(約1,100億円)以上稼ぐとしています。
一方でマキシムグループのアナリストは「投資の観点からはレムデシビルはギリアド社にとっては控えめな機会であり、成長を牽引するものではないと考えている」との見解を示しています。
韓国はK防疫を掲げて検査キットを中心に輸出拡大と韓国標準を世界に広げたいと考えているようです。
以前からバイオ産業を新たな経済の柱として成長させる目標を立てていた韓国にとっては好機ではありますが、強豪ひしめく業界で、継続的な成長は難しいのが現実と見られています。
編集所感
重症患者も現時点では多くないようで、レムデシビルについては臨床試験をするのに十分な量があれば問題ないということなのでしょう。
韓国政府としては、今必要なのは拡散を抑えるために、初期症状患者に対して広範囲に使用できる治療薬、または予防のためのワクチンに主眼をおきたいということのようです。
アビガンは日韓関係もあり、また副作用の問題もあって躊躇しているようですね。
せっかくK防疫などと謳っているので、検査キット以外にも韓国の地位を高めるようなものを輸出したいところでしょう。
もちろん治療薬やワクチンがベストではありますが、どうやらそれらは全く追いつけそうにもないようです。色々とやってはいるようですけど。
日本企業も開発していますが、ウイルスを減少させるシートや、ウイルスを殺すマスクといった小物が開発されたという報道はたまに目にします。
日本の報道では韓国を羨望しつつ、K防疫を売り出していくみたいに言っていますけど、正直無理だと思いますね。
文在寅大統領は「K防疫が世界標準になった」と言ったそうですが、何と言うか、政治家の自画自賛アピールというのはこういうものなのですかね。
アジアや欧米諸国が回復していくころには防疫体制云々よりも治療薬やワクチンに注目が移っていくわけで、そのころK防疫は埋没すると予測します。
韓国が考案した独自の方式だと韓国メディアは騒いでいますけど、考案したというよりは最初にやっただけで、国外ではどこの国が最初かなんてのはもうどうでもよくなると思います。
検査キットに関してはいち早くベンチャー企業が開発して海外に多く輸出しているようで、4月には2億ドル超(約220億円)輸出したということです。
次を狙うとすればN95相当のマスクだと思いますが、このあたりは中国や台湾と争うことになるのでしょう。
使い捨てのマスクはそれほど余裕がないのかなと思います。
韓国としては中東諸国に色々とアピールをしたいところだとは思いますが、検査キット以外では取りたてて何かできているという印象はありません。
どうせなら医療体制があまりにも不完全なアフリカ諸国への支援に力を入れてはどうかと思いますね。
中国に配慮してできないですか?そんなことを言っている場合ではないと思いますけど。
個人的には先日の報道で、日本がイランに対してアビガンを無償で供給するというものですね。米国から厳しい制裁を受けている中で、こうした支援ができるのは大きな意味があると思います。
(参考)NHK 2020/05/05
どうやら米国が先月人道的支援を認めたことを受けてということのようですね。これには北朝鮮やキューバなども含まれているようです。
韓国も米国が許可したということで、検査キットを送るとしているようです。これは販売ですね。
販売なのでどうやって代金を受け取るかまごついていたようですが、こんなことで送付が遅れるというのもどうなのかと思います。
イラン自体はとんでもない国だとは思いますが、これはこれで米国の機嫌を伺わずにやる意味があると思います。制裁解除後に優位に立てますし。
韓国政府としては、北朝鮮への人道支援も認められたので一安心というところなのでしょうか。
治療薬開発とワクチン開発の両輪が動いていますが、先日行われたワクチン開発の資金集めイベント。EUが主導したコロナウイルスグローバルレスポンス国際結束イベントで、日本は8億ドル(約900億円弱)を超える支援を行うと表明しました。
一方で韓国は5,000万ドル(約55億円)の予定だとか。あ、責めたらダメですよ。中国も5,000万ドルなので。アイルランドも。
カナダが8億5千万ドル、英国が日本と同じ8億ドル、フランスが5億ドルだそうです。
これは国家間で開発を争うのではなく、世界が協力して開発しようということですので、どれだけ私益を捨てて国際協力に貢献するかが数字に表れているのだと思います。
一覧があればいいんですが、見つからないですね。様々な報道から断片的に集めました。
お〆め
それで、日本はアビガンもレムデシビルも承認されるわけですよね。
そして・・・
ほぼってことは3ヶ月きっちり残ってないんだ。